さて、この真の書名は……
『投資で勝ってる素人たち』
投資家で知らぬ者などいない、パンローリング社の2月新刊です。
この本、発売当日には買っていたのですが、読み終えたのはつい先日です。ほとんどの章はあっという間に読んでしまったのですが、ホンの十数ページを残したまま放置してたからでした。
なぜでしょうか?実は、FXにおいては大して役立つ内容でなかったからなのです。つまり実践的ではないのです。
構成は版元お得意の『マーケットの魔術師』的インタビュー形式で、最近名を成している海外のセミプロトレーダー12名のトレードスタイルを紹介しています。インタビューということで非常に読み易くなっていますので、スラスラと読めてしまいます。
著名なトレーダーが全く出て来ませんので、内容を簡単にご紹介しますと、
● 一週間の目標を50〜100pipsに設定し、達成したらもうやらない。
● 自分にあらゆるプレッシャーを与えるな。
● サイズは小さく、回数は少なく、ナンピンはしない
● 通貨ペア、足、システム、トレード時間は限定する 等など
誰でもどこかで耳にするようなルールがそれぞれに語られています。誰でもそうでしょうが、ルールは失敗を重ねて身につくものであり、どれだけ尊敬できる方の箴言であっても自ら痛い目にあわなければ悟れませんね。
それでも改めて自分のルールを確認する意味では読む価値はあります。
それでは、この本の問題点へ進みましょう。
まず、書名が問題大ありです。
原題が"Millionaire Traders(ミリオネアトレーダース)"でして、どこにもFXで勝ち上った投資家という記述はない(副題にも)にも関わらずの邦題『FXの小鬼たち』なのです。まさに昨今のブームに乗って売ろうというせこさがにじみ出た書名です。
そして、確かにFXトレーダー(1名はスワップ派)も登場しますが、8名は先物か株のトレーダーなのです!
トレードはどれも似たり寄ったりとはいえ、これは酷いでしょう?
さて、『小鬼』?なんて呆れるようなネーミングに加え、いつまで経っても垢抜けない装丁しかデザインできないパンローリング社ですが、僕ら投資家にとっては多くの名著を提供してくれていますので、この版元の書籍を読んだことのない初心者の皆さんは、ぜひ一度都心の大きな書店へ出かけてみてくださいね。
『FXの小鬼たち』
さて、この真の書名は……
『投資で勝ってる素人たち』
お奨め星☆★2つです!★☆★☆★☆☆★